「そろそろ行く時間か・・・」
そう呟くと少年は、読んでいた本から目を上げ、時計を見る。
太陽はとうに沈み、空は暗い 23:30。
何処に行くのだろうか? 一般には外に出歩く時間ではない。
(うわ・・・雨降っとるやん 傘持ってくるんやった・・ 雨音なんか聞こえんかったんやけどなぁ)
マンションから出た瞬間、小さな水の粒が一粒、頬に当たる。
心の中で文句を言うが、天候はそんな事で変わりはしない。
傘を取りに戻る時間も無く、諦めて目的地へ向かう事にした。
電車に乗って行くらしく、駅の中に入り、階段を上がると、
切符を買ってホームへ向かう。
電車が来るまでの間、携帯小説を読んで時間を潰すが、
ものの数ページ読んだだけで電車が来てしまった
ガタンゴトン・・・
電車の発する独特の音に気づくと、物足りなさそうに携帯を閉じ、電車に乗る。
(阪急電車は全席携帯禁止やからな・・)
と言っても、終電であることもあり、人は殆どいないのだから、
携帯を使った所で誰に迷惑もかからないとは思うのだが
生真面目に電車での決まりを守るつもりのようだ。
そして電車に揺られる事5分 終点に着き、乗客達は降りて行く
電車を降り、駅を出た少年は、再び雨の中、目的地に向かって足を進める。
歩く事5分 勢いを増す雨の中で不気味に佇む建物が一軒。
入り口付近には、明かりが点滅し、嫌な雰囲気を漂わせた自動販売機がポツンと立っており、
余計にその建物の不気味さを引き立てていた。
(今日の仕事は此処か じゃあ、始めようかな・・)
胸ポケットに入れていた鍵を取り出すと、それを鍵穴に突っ込んで、回す。
ギィィィィ・・・・
嫌な音を立てながら開く扉の音と共に一人、建物の中へと入って行った。
つづく
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

